GLEXAとは
GLEXA(グレクサ)は、チエルコミュニケーションズブリッジが提供する、誰でも簡単に使えるUIと優れた学習管理機能を備えた、スペシャリストを効率的に育成するeラーニングシステムです。
北海道大学との共同研究により開発されたシステムで、教育機関や民間企業での人材育成に貢献しています。
北海道大学との共同開発の背景
開発のきっかけ
GLEXAは、北海道大学の河合剛准教授(当時)が開発した擬似電話システム(Goh's Phone)がきっかけとなって誕生しました。河合准教授は「学生に英語を使う機会を数多く与えたい」と考えており、特に「話す力」の育成を重視していました。
擬似電話システム(Goh's Phone)とは
Goh's Phoneは、2007年に河合剛氏によって開発された、英語のスピーキング力育成に特化した独自のシステムです。これは、学生が電話応対のロールプレイを擬似的に体験できることをコンセプトとしています。
- 機能: 学生は相手役の音声教材を聞いてから自分の応答音声を録音します。この録音データをサーバー上にアップロードし、教師や他の学生からのフィードバックを受けることができます。
- 教育的効果: 従来のCALL教室での対面ロールプレイとは異なり、時間や場所の制約を受けずに繰り返し練習が可能です。これにより、発言の機会が増え、心理的な負担(スピーキング不安)を軽減しながら、「話す力」を集中的に鍛えることを目的としていました。
- GLEXAへの影響: この音声録音・共有・評価の核となる仕組みが、GLEXAの「音声提出機能」や「音声掲示板」など、スピーキング能力向上を目的とした機能の原型となりました。
GLEXAにおける音声機能と音声掲示板
Goh's Phoneの思想は、GLEXAの主要機能に引き継がれ、特に語学学習における実践的なアウトプットを重視しています。
1. 音声提出機能(glexaPhone/フォン)
擬似電話システムの発展形で、対話形式の課題に対応するために用いられます。講師が用意した会話の相手役の音声を聞き、学習者が自分の回答音声を録音して提出することで、対話シミュレーションと個別評価を可能にします。
2. 音声掲示板(glexaBoard/Board)
テキスト情報に加え、音声やファイルを投稿できる協調学習ツールです。学習者はその場で自分の意見を音声で録音してディスカッションに参加したり、課題の音声ファイルを添付したりできます。これにより、スピーキング練習の場として利用されるほか、グループワークの意見交換を活発化させます。
開発の経緯
2007年に擬似電話システムを開発し、CALICO学会で発表した後、音声掲示板と一緒にWebブラウザで利用するために、授業でよく使われる機能を核としてプラットフォームを開発しました。これがGLEXAの原型となっています。
産学連携の意義
河合教授の「この講義をオンライン化したい」「こんな教材があれば、もっと英語に興味をもってもらえるだろう」といった着想を、VERSION2(現チエルコミュニケーションズブリッジの前身企業)が技術的に具現化しました。
英語教育の専門家でもあり、GLEXAのユーザーともなる河合教授とタッグを組んでつくり上げたため、実用的で操作も簡単で使いやすいシステムとなりました。
なぜ共同研究で開発されたのか
- 実際の教育現場のニーズに基づいた開発
- 教育の専門家と技術者の協力による理論と実践の融合
- 現場で本当に役立つ実践的なシステムの実現
- 英語教育における「話す力」育成という明確な目標
- 段階的な機能開発と現場での検証
主な特徴
- 誰でも簡単に使える直感的なユーザーインターフェース
- 優れた学習管理機能による効率的な運用
- スペシャリスト育成に特化した機能
- カスタム開発による柔軟な対応
- 安定したクラウドインフラ(さくらのクラウド・VPS)
GLEXAで実現できる学習
GLEXAは多様な学習形式に対応した豊富な機能を備えており、様々な教育ニーズに応えます。
1. 多様な問題・課題形式
クイズ形式や穴埋め・並び替え、マッチング問題、映像の途中に問題を出したり会話をさせたりと様々な形式の問題・課題を作成することができます。
- 選択問題(複数選択・単一選択)
- 穴埋め問題
- 並び替え問題
- マッチング問題
- 受講者の回答によって問題が分岐するシナリオ教材
2. 音声・会話学習機能(GLEXAの特徴)
擬似電話システムの開発思想を引き継ぎ、実践的なスピーキング能力の育成に特化した機能を提供します。
glexaPhone(音声提出機能/フォン)
録音問題、会話シミュレーション機能により、講師が用意した音声を聞いて自分の応答を録音して提出できます。対話形式の実践的な学習が可能です。
glexaBoard(音声掲示板/Board)
学習者が録音した音声やファイルを登録できるWebベースのチャットシステムです。音声でのディスカッション参加や、グループワークでの意見交換を活発化させます。
3. 動画・メディア学習
- 既存の研修動画や学習コンテンツを再活用した教材作成が可能
- 動画の視聴中にテストを挿入する機能により、インタラクティブな学習を実現
- 動画と課題を組み合わせた効果的な学習設計が可能
4. テスト・評価機能
研修の理解度を把握するテストや、スキルの習熟度を可視化する理想的な学習管理機能を備えています。
- 自動採点機能による効率的な評価
- 成績や進捗をグラフなどで視覚化し、学習状況を把握しやすく表示
- ルーブリック評価にも対応したポートフォリオ機能
5. レポート・課題提出管理
受講者の課題レポートを受け付ける機能で、主催者はレポート回収、採点、採点物の返却を一括で管理できます。ペーパーレスで効率的な課題管理が可能です。
6. コミュニケーション・協調学習
- チャット・掲示板機能による受講者同士や講師とのやり取り
- 音声を使ったディスカッション
- グループワークの支援機能
7. 学習管理・進捗管理
- 受講期限の催促(リマインド)機能
- 受講の注意点や重要なお知らせなどのアラート配信
- 受講履歴や成績の一元管理
- 未受講者への自動リマインド
- 時間と場所を選ばない学習環境の提供
活用されている主な分野
- 医療機関: 医療従事者研修、医療安全講習、資格認定講習
- 企業: 社員教育、社内研修、スキルアップ研修
- 大学・教育機関: オンライン講義、語学教育(特に英語のスピーキング)
- 専門学校: 専門技術教育、実践的スキル習得
GLEXAは「スペシャリスト育成」に特化しており、特に実践的なスキル習得を重視した学習環境を提供しています。音声機能を活用した語学学習から、動画教材を使った専門技術習得まで、幅広い学習ニーズに対応できる柔軟性が特徴です。
利用実績(2023年10月現在)
技術基盤
インフラ環境
GLEXAは、安定性と拡張性に優れた「さくらのクラウド」および「さくらのVPS」をサーバー環境として採用しています。これにより、大規模なユーザー数にも対応可能な堅牢なシステムを実現しています。
さくらのクラウドとVPSの両方を採用する理由
GLEXAが両方のサービスを併用していると考えられる理由はいくつかあります。
1. 用途や負荷に応じた最適な使い分け
- さくらのクラウド: 登録ユーザー数300万人以上という大規模システムのため、アクセス集中時に柔軟にスケールできるクラウド環境でメインシステムを運用
- さくらのVPS: 開発環境、テスト環境、または比較的負荷の低い補助的なサービスに固定料金で運用できるVPSを活用
2. 段階的なシステム成長への対応
GLEXAは2007年頃の擬似電話システムから発展してきたシステムです。初期は小規模だったためVPSでスタートし、利用者が増えるにつれてさくらのクラウドも導入した可能性があります。このような段階的な拡張により、システムの成長に合わせた柔軟なインフラ構築が実現されています。
3. コスト最適化戦略
- 安定稼働部分: 常時稼働が必要で負荷が安定している部分はVPSで月額固定の低コスト運用
- 変動部分: 負荷変動が大きい部分や重要な基幹システムはクラウドで柔軟性と可用性を重視
このハイブリッド構成により、全体のインフラコストを最適化しながら、必要な性能と信頼性を確保しています。
4. 冗長性・BCP(事業継続計画)対策
異なる環境を組み合わせることで、片方に障害が発生した場合のバックアップ体制を構築し、システムの可用性を高めている可能性があります。教育システムという特性上、サービス継続性は極めて重要です。
5. 地域連携と技術サポート
チエルコミュニケーションズブリッジは北海道の企業であり、さくらインターネットも石狩データセンターなど北海道に拠点があります。地域連携や迅速な技術サポートの受けやすさも、さくらインターネットのサービスを選択する理由の一つと考えられます。
注: これらの理由は技術的・ビジネス的な観点からの推測であり、公式な説明ではありません。実際の選定理由については、チエルコミュニケーションズブリッジの技術判断に基づくものです。
提供対象
GLEXAは以下のような組織に向けてサービスを提供しています。
- 民間企業(社員教育・研修)
- 大学(オンライン講義・学習管理)
- 専門学校(専門技術教育)
- その他教育機関
🎥 GLEXA 紹介動画リソース
システムの概要や特徴を視覚的に確認できる公式YouTube動画をまとめました。これらは、GLEXAの機能や開発思想を理解するのに役立ちます。
動画一覧:
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GLEXA (グレクサ) とは? [Enterprise版]
(チャンネル: GLEXA / 再生時間: 3分51秒) -
eラーニングシステム Glexa(グレクサ)紹介用動画
(チャンネル: VERSION2 Inc / 再生時間: 2分59秒) -
Glexaのご紹介(株式会社VERSION2)
(チャンネル: VERSION2 Inc / 再生時間: 8分1秒)