× Vivaldiとは? VivaldiとChromeの違い Vivaldiを使ったことがない人がまずすべきこと Vivaldiの同期機能 Vivaldiの便利な使い方(使いこなし方) GoogleサービスをVivaldiで便利に使う方法 スマートフォン版Vivaldi Vivaldiのショートカットキー一覧 よくある質問(FAQ) 深い理解を得たい人のための解説

Vivaldi ブラウザ徹底解説

Vivaldiは、ユーザーの「自分らしさ」を追求できる高機能ブラウザです。Chromeとは一線を画すカスタマイズ性と、豊富な独自機能で、あなたのウェブ体験をより快適で生産的なものに変えます。

Vivaldiとは?

Vivaldiとは?

Vivaldi(ヴィヴァルディ)は、Operaブラウザの共同創業者であり元CEOのジョン・フォン・テッツナー氏が、ユーザーの意見を重視して開発したWebブラウザです。ChromeやEdgeと同様にChromiumオープンソースプロジェクトをベースにしていますが、その最大の特徴は**驚異的なカスタマイズ性**と、ユーザーの生産性を向上させるための**豊富な独自機能**にあります。

VivaldiとChromeの違い

VivaldiとChromeの違い

VivaldiとGoogle ChromeはどちらもChromiumをベースにしていますが、思想と機能面で大きな違いがあります。

どちらもChromiumベースであるため、Chromeウェブストアの拡張機能は両方のブラウザで利用できます。しかし、Vivaldiの豊富な内蔵機能により、多くの拡張機能が不要になることもあります。

Vivaldiを使ったことがない人がまずすべきこと

Vivaldiを使ったことがない人がまずすべきこと

Vivaldiを初めて使う方のために、まず試してほしいことをまとめました。

  1. Vivaldiをダウンロードしてインストールする

    • Vivaldiの公式サイト (vivaldi.com) から、お使いのOS(Windows, macOS, Linux, Android)に合ったインストーラーをダウンロードし、指示に従ってインストールします。
  2. 初回起動時の設定ウィザードを進める

    • インストール後、初めてVivaldiを起動すると、いくつかの基本的な設定を選択するウィザードが表示されます。
      • テーマの選択: ライト/ダークモードやカスタムテーマを選べます。後で変更可能なので、気軽に選んでみましょう。
      • タブバーやアドレスバーの配置: 上、下、左、右から選択できます。これも後で変更可能です。
      • データのインポート: 既存のブラウザ(Chrome, Firefoxなど)からブックマークや履歴、パスワードなどをインポートできます。快適な移行のために、ぜひ利用しましょう。
  3. 「スピードダイヤル」をカスタマイズする

    • Vivaldiの新規タブページは「スピードダイヤル」と呼ばれ、よく使うサイトをタイル形式で表示できます。
      • 新規スピードダイヤルの追加: +ボタンをクリックして、お気に入りのサイトを追加してみましょう。
      • フォルダ作成: 複数のサイトをフォルダにまとめて整理することもできます。
  4. 「ウェブパネル」を試してみる

    • Vivaldiの左側にあるサイドバー(パネル)には、「ウェブパネル」という独自の機能があります。
      • ウェブパネルの追加: パネル下部の+アイコンをクリックし、SNSやニュースサイト、チャットアプリなどのURLを入力して追加してみましょう。
      • 活用例: TwitterやSlackなどをウェブパネルに追加すれば、メインのブラウジング画面を邪魔することなく、常に情報をチェックできます。
  5. 「タブスタック」を体験する

    • 複数のタブを一つのグループとしてまとめることができる機能です。
      • タブの重ね方: 一つのタブを別のタブの上にドラッグ&ドロップすると、タブスタックが作成されます。
      • メリット: 同じテーマのタブを整理でき、タブバーがすっきりします。
  6. 設定画面を少し覗いてみる

    • 右上のVivaldiアイコン(またはメニューバーの「ツール」→「設定」)から設定画面を開いてみましょう。膨大な設定項目がありますが、まずは興味のある部分から触ってみるのがおすすめです。

これらの基本的な機能を試すことで、Vivaldiの魅力の一端を感じられるはずです。慣れてきたら、さらに多くのカスタマイズや高機能に挑戦してみてください。

---

Vivaldiの同期機能

Vivaldiの同期機能

Vivaldiは、複数のデバイス(デスクトップPC、ノートPC、スマートフォンなど)間でブックマーク、パスワード、履歴、設定などのデータを**安全に同期**できる独自の同期機能を提供しています。

  • エンドツーエンド暗号化:

    Vivaldiの同期機能は、ユーザーのデータがデバイス間で同期される際に、**エンドツーエンドで暗号化**されます。これは、Vivaldi社を含め、誰もあなたのデータにアクセスできないことを意味します。プライバシーを重視するVivaldiならではの強力なセキュリティ対策です。

    同期を設定する際に、アカウントのパスワードとは別に「暗号化パスワード」を設定します。この暗号化パスワードを知っているのはあなただけであり、サーバーに保存された同期データもこのパスワードで保護されます。

  • 同期できるデータ:
    • ブックマーク: お気に入りのウェブサイトを同期します。
    • スピードダイヤル: 新規タブページのタイル表示サイトを同期します。
    • パスワード: ログイン情報を安全に同期します。(別途暗号化パスワードが必要です)
    • 履歴: 閲覧履歴を同期し、他のデバイスで開いたページにアクセスできます。
    • 開いているタブ: 他のデバイスで開いているタブを一覧表示し、すぐに開くことができます。
    • 設定: ブラウザの設定(テーマ、UIレイアウトなど)を同期し、どのデバイスでも一貫した環境で利用できます。
    • メモ: Vivaldiのメモ機能を同期します。
    • リーディングリスト: 後で読みたい記事のリストを同期します。
    • 拡張機能: インストールされている拡張機能も同期対象にできます。
  • 設定方法:
    1. Vivaldiブラウザの「設定」を開きます。
    2. 左側のメニューから「同期」を選択します。
    3. Vivaldiアカウントをお持ちでない場合は作成し、ログインします。
    4. 「同期するデータを選択」で、同期したい項目のチェックボックスをオンにします。
    5. 「暗号化パスワード」を設定し、**絶対に忘れないように**安全な場所に控えておきましょう。このパスワードがないと、同期された暗号化データにアクセスできなくなります。

Vivaldiの同期機能は、プライバシーとセキュリティを重視しつつ、ユーザーの利便性を高めるための重要な機能です。複数のデバイスでVivaldiを利用している場合は、ぜひ設定をおすすめします。

---

Vivaldiの便利な使い方(使いこなし方)

Vivaldiの便利な使い方(使いこなし方)

Vivaldiの真価は、その豊富な機能をいかに使いこなすかにあります。ここでは、より生産的なブラウジングを実現するための便利な使い方を紹介します。

1. タブ管理を極める

  • タブスタックとタイリング:
    • タブスタック: 関連するタブをグループ化し、タブバーを整理します。複数のタブを選択して右クリック→「タブスタックを作成」でも可能です。
    • タブタイリング: タブスタック内のタブや、複数選択したタブを右クリック→「タブをタイル表示」を選択すると、複数のページを1つのウィンドウ内で並べて表示できます。情報比較や作業効率向上に役立ちます。
  • タブの休止:
    • 開いているタブを右クリックし、「バックグラウンドタブを休止」を選択すると、現在見ていないタブのメモリ使用量を抑えられます。PCの動作が重いと感じたときに効果的です。
  • タブのプレビュー:
    • タブバーのタブにマウスカーソルを合わせると、そのタブの内容が小さなプレビューとして表示されます。

2. 生産性向上ツールを活用する

  • ウェブパネル:
    • サイドバーに常に表示しておきたいWebサイト(SNS、メッセンジャー、辞書など)を登録します。メインの作業を中断せずに情報を確認できるため、切り替えの手間が省けます。
  • メモ機能:
    • ウェブページ上で選択したテキストや画像、ページ全体を直接メモとして保存できます。後から検索したり、タグ付けして整理したりすることも可能です。
    • メモにはURLやスクリーンショットも自動で紐付けられます。
  • スクリーンショット機能:
    • ブラウザに内蔵されたキャプチャ機能で、表示されている部分、選択範囲、またはページ全体を簡単にスクリーンショットとして保存できます。
  • リーディングリスト:
    • 後で読みたい記事やページを一時的に保存しておく機能です。ブックマークとは異なり、読んだらリストから簡単に削除できます。
  • 内蔵メーラー、カレンダー、RSSリーダー:
    • Vivaldi内にこれらの機能を集約することで、複数のアプリを切り替えることなく、ブラウザ上で情報の確認と管理が完結します。

3. 操作を高速化する

  • クイックコマンド:
    • F2キー(またはCtrl + E)を押すと表示される検索バーのようなものです。開いているタブの検索、ブックマークの検索、履歴の検索、設定の呼び出し、さらにはコマンドの実行まで、キーボード入力だけでほとんどの操作が可能です。
  • マウスジェスチャー:
    • マウスの右ボタンを押しながら特定のパターンで動かすことで、タブの開閉、ページの戻る/進む、スクロールなど、様々な操作を実行できます。自分好みにカスタマイズも可能です。
  • キーボードショートカット:
    • Vivaldiは膨大な数のキーボードショートカットを設定できます。よく使う操作に自分だけのショートカットを割り当てて、作業効率を飛躍的に向上させましょう。
  • コマンドチェイン:
    • 複数のブラウザコマンド(例: 「アクティブタブを休止」→「新しいタブを開く」)を組み合わせて、一つのアクションで実行できる機能です。複雑な操作をワンクリックで実行したい場合に便利です。

4. プライバシーとセキュリティ

  • 広告ブロッカーとトラッカーブロッカー:
    • 設定から有効にすることで、Webサイトの広告や、ユーザーの行動を追跡するトラッカーを自動的にブロックし、プライバシーを保護しつつページの読み込み速度も向上させます。
  • ブレイクモード:
    • 休憩が必要な時に「ブレイクモード」を有効にすると、全てのコンテンツが非表示になり、オーディオもミュートされます。タイマー設定も可能です。集中したい時や休憩を促したい時に役立ちます。

GoogleサービスをVivaldiで便利に使う方法

GoogleサービスをVivaldiで便利に使う方法

VivaldiはChromiumをベースとしているため、Googleのサービスも問題なく利用できます。Vivaldiの独自機能を活用することで、Chromeと同じかそれ以上に便利にGoogleサービスを使うことができます。

1. Googleを既定の検索エンジンにする

  • Vivaldiの「設定」→「検索」から、デフォルトの検索エンジンをGoogleに設定できます。また、アドレスバーに直接検索キーワードを入力するだけでGoogle検索が実行されるようになります。

2. Googleサービスを「ウェブパネル」に追加する

  • Gmail、Googleカレンダー、Google Keep、Google翻訳など、頻繁に使うGoogleサービスをウェブパネル(サイドバー)に追加すると非常に便利です。
    1. サイドバーの「+」アイコンをクリック。
    2. 追加したいGoogleサービスのURL">URL(例: https://mail.google.com/)を入力し、「ウェブパネルを追加」をクリック。
    3. ウェブパネルに表示されたアイコンをクリックすれば、メインブラウザ画面の横にいつでもGoogleサービスを表示できます。メールをチェックしながらウェブを閲覧したり、翻訳しながら記事を読んだりといった使い方が可能です。

3. ChromeウェブストアのGoogle関連拡張機能を活用する

  • VivaldiはChromeウェブストアの拡張機能に対応しているため、Googleが提供する公式拡張機能や、Googleサービスと連携するサードパーティ製拡張機能も利用できます。
    • 例: Google翻訳拡張機能、Google Keep Chrome拡張機能、Google ドキュメント オフラインなど。

4. Googleアカウントで同期する

  • Chromeユーザーの場合、Googleアカウントにログインすることで、ブックマークやパスワード、履歴などをVivaldiにインポートできます。また、Vivaldi独自の同期機能とは別に、Googleアカウントの同期機能を使うことも可能です。

5. Vivaldiのメモ機能とGoogle Keepの連携

  • Vivaldiの内蔵メモ機能は非常に強力ですが、もしGoogle Keepを使い慣れている場合は、Google Keepをウェブパネルに追加するか、ChromeウェブストアからGoogle Keep拡張機能をインストールすることで、Vivaldi内でシームレスにKeepを利用できます。

プライバシーに関する注意点:
Vivaldi自体はユーザーのプライバシー保護を重視していますが、Googleサービスを利用する際には、Googleのプライバシーポリシーが適用されます。Vivaldiのトラッカーブロッカーや広告ブロッカーを有効にすることで、ある程度の追跡は防げますが、Googleサービス上での行動データはGoogleによって収集される可能性があります。この点を理解した上で、ご自身の判断でご利用ください。

---

スマートフォン版Vivaldi

スマートフォン版Vivaldi

Vivaldiはデスクトップ版だけでなく、**Androidスマートフォン向けにも提供**されており、デスクトップ版の強力な機能の多くをモバイル環境でも利用できます。

  • デスクトップ版との連携:
    • 前述のVivaldi独自の**同期機能**を利用することで、デスクトップ版とスマートフォン版の間で、ブックマーク、パスワード、開いているタブ、履歴、メモなどのデータをシームレスに同期できます。これにより、PCで見ていたページをスマートフォンで、またはその逆で簡単に続きから閲覧することができます。
  • モバイル独自の機能と利便性:
    • タブスタック: モバイルでもタブスタック機能が利用でき、タブの整理がしやすくなっています。
    • トラッカー&広告ブロッカー: デスクトップ版と同様に、プライバシー保護と高速なウェブ閲覧のために、内蔵のトラッカーブロッカーと広告ブロッカーが利用可能です。
    • メモ機能: モバイルからもウェブページの内容を素早くメモし、同期できます。
    • スクリーンショット機能: モバイルでも手軽にウェブページのスクリーンショットを撮影・保存できます。
    • ページアクション: ページの表示をモノクロにしたり、リーダーモードにしたりと、モバイル環境でも表示をカスタマイズできます。
    • QRコードスキャナー: URLのQRコードを生成したり、QRコードをスキャンして開く機能が内蔵されています。
    • パネル: ブックマーク、履歴、メモ、ダウンロードなどのパネルを左側に表示でき、素早くアクセスできます。
    • UIのカスタマイズ: アドレスバーやタブバーの配置を上下で切り替えるなど、モバイル環境に合わせたUI調整も可能です。
  • ダウンロードとインストール:
    • Android版Vivaldiは、Google Playストアから無料でダウンロードしてインストールできます。

スマートフォン版Vivaldiは、デスクトップ版の「パーソナライズ」と「多機能性」の哲学をモバイル環境にも持ち込んでおり、外出先でも効率的かつプライバシーに配慮したブラウジング体験を提供します。

---

Vivaldiのショートカットキー一覧

Vivaldiのショートカットキー一覧

Vivaldiは、キーボードショートカットを豊富にカスタマイズできるのが大きな特徴です。ここでは、デフォルトで設定されている代表的なショートカットキーの一部を紹介します。これらを使いこなすことで、Vivaldiの操作が格段に速くなります。

一般操作

  • 新しいタブを開く: Ctrl + T (macOS: ⌘ + T)
  • 現在のタブを閉じる: Ctrl + W (macOS: ⌘ + W)
  • 閉じたタブを復元: Ctrl + Shift + T (macOS: ⌘ + Shift + T)
  • 新しいウィンドウを開く: Ctrl + N (macOS: ⌘ + N)
  • プライベートウィンドウを開く: Ctrl + Shift + N (macOS: ⌘ + Shift + N)
  • ブラウザを閉じる: Ctrl + Shift + W (macOS: ⌘ + Shift + W)
  • 設定を開く: Ctrl + F12 (macOS: ⌘ + ,)
  • クイックコマンドを開く: F2 (macOS: ⌘ + E または ⌘ + F2)
  • 全画面表示の切り替え: F11 (macOS: Control + ⌘ + F)
  • ページの再読み込み: F5 または Ctrl + R (macOS: ⌘ + R)
  • ページの強制再読み込み(キャッシュを無視): Ctrl + F5 または Ctrl + Shift + R (macOS: ⌘ + Shift + R)

タブ操作

  • 次のタブへ移動: Ctrl + Tab または Ctrl + PgDn (macOS: ⌃ + Tab または ⌘ + Option + →)
  • 前のタブへ移動: Ctrl + Shift + Tab または Ctrl + PgUp (macOS: ⌃ + Shift + Tab または ⌘ + Option + ←)
  • 指定した番号のタブへ移動: Ctrl + 1Ctrl + 9 (macOS: ⌘ + 1⌘ + 9)
  • タブをピン留め/ピン留め解除: 選択中のタブを右クリックしてコンテキストメニューから選択
  • タブを複製: Ctrl + D (macOS: ⌘ + D)
  • タブスタックを作成: 複数タブを選択し右クリック
  • タブのタイリング: 複数タブを選択し右クリック

ナビゲーション

  • 戻る: Alt + ← (macOS: ⌘ + ←)
  • 進む: Alt + → (macOS: ⌘ + →)
  • ホームに戻る: Alt + Home (macOS: Fn + ← またはカスタム設定)
  • ページの一番上へ: Home (macOS: ⌘ + ↑)
  • ページの一番下へ: End (macOS: ⌘ + ↓)
  • 検索バーにフォーカス: Ctrl + K または Ctrl + E (macOS: ⌘ + K または ⌘ + E)
  • アドレスバーにフォーカス: F8 または Ctrl + L (macOS: ⌘ + L)

表示

  • ズームイン: Ctrl + + (macOS: ⌘ + +)
  • ズームアウト: Ctrl + - (macOS: ⌘ + -)
  • ズームをリセット: Ctrl + 0 (macOS: ⌘ + 0)
  • サイドパネルの表示/非表示: F4 (macOS: ⌘ + G)
  • ステータスバーの表示/非表示: Ctrl + Shift + S (macOS: ⌘ + Shift + S)

Vivaldiのショートカットキーは、「設定」→「キーボード」から**自由にカスタマイズ**できます。自分にとって使いやすいように設定を調整し、Vivaldiをさらにパーソナルなブラウザにしましょう。

---

よくある質問(FAQ)

Q1: Vivaldiは日本語に対応していますか?

A1: **はい、完全に日本語に対応しています。** インストール時や初回起動時に日本語を選択できますし、設定画面やメニューも全て日本語で表示されます。

Q2: Chromeの拡張機能はVivaldiでも使えますか?

A2: **はい、使えます。** VivaldiはChromiumをベースにしているため、Google Chromeウェブストアの拡張機能が公開されている「Chromeウェブストア」から、ほとんどの拡張機能をVivaldiにインストールして利用することができます。

Q3: Vivaldiは重いですか?

A3: 多くの高機能が内蔵されているため、Chromeなどのシンプルなブラウザと比較すると、若干メモリ使用量が多い傾向にあります。しかし、これはVivaldiの提供する豊富な機能と引き換えであり、PCのスペックによっては体感速度に大きな差は感じられないこともあります。また、「タブの休止」機能など、メモリ使用量を抑えるための工夫もされています。

Q4: Vivaldiは無料で使えますか?

A4: **はい、完全に無料で利用できます。** Vivaldiはユーザーから直接収益を得るモデルではなく、検索エンジンの提携(デフォルト検索エンジンなど)や、独自のサービス(Vivaldi Socialなど)で収益を上げています。ユーザーのデータ収集や広告表示で収益を上げることはありません。

Q5: プライバシーは本当に保護されていますか?

A5: **はい、Vivaldiはユーザーのプライバシー保護を非常に重視しています。** 彼らはユーザーの閲覧履歴や個人情報を追跡・収集しないことを明言しており、データはVivaldi社のサーバーには送信されません。同期機能を利用する場合も、データはエンドツーエンドで暗号化されます。また、デフォルトで広告ブロッカーとトラッカーブロッカーを搭載している点も、プライバシー保護への強い姿勢を示しています。

---

深い理解を得たい人のための解説

ChromiumとVivaldiの関係

VivaldiはGoogleが開発している「Chromium」というオープンソースプロジェクトをベースにしています。これは、Google Chromeの基盤となる部分であり、多くのWebブラウザ(Microsoft Edge、Brave、Operaなど)がこのChromiumを土台として開発されています。

  • Chromiumの利点:
    • レンダリングエンジン: Chromiumは「Blink」という高速なレンダリングエンジン(Webページを描画するソフトウェア)と、「V8」という強力なJavaScriptエンジンを使用しています。これにより、最新のWeb標準に迅速に対応し、高速なウェブ表示とJavaScript実行が可能です。
    • 高い互換性: 多くなWebサイトがChromeを基準に開発されているため、ChromiumベースのブラウザはWebサイトの表示崩れが少なく、高い互換性を持ちます。
    • 豊富な拡張機能: Chromeウェブストアで提供されている数多くの拡張機能を利用できるため、ユーザーは自分のニーズに合わせてブラウザをカスタマイズできます。
  • Vivaldiの独自性:

    VivaldiはChromiumをベースにしながらも、その上にVivaldi独自のUI(ユーザーインターフェース)や豊富な機能をC++とReact(JavaScriptのライブラリ)で構築しています。これにより、単なるChromiumの派生版ではなく、Vivaldi独自の個性を確立しています。

    Googleのサービスとの連携は最小限に抑えられ、ユーザーのプライバシーを尊重する設計思想が貫かれています。Vivaldiのほとんどの独自機能は、ChromiumにはないVivaldiチームによる独自開発であり、これがChromeとの最大の違いとなっています。

Vivaldiの「パーソナライズ」哲学

Vivaldiの最大の魅力であり、開発の根幹にあるのが「**パーソナライズ(自分らしさ)**」という哲学です。

  • ユーザー中心の開発:

    Vivaldiの創業者であるジョン・フォン・テッツナー氏は、かつてのOperaブラウザがシンプルな方向へシフトしたことに不満を抱くパワーユーザーのために、より高機能でカスタマイズ性の高いブラウザを提供することを目指しました。Vivaldiの開発は、ユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れ、それを機能に反映させることで行われています。

  • 無限のカスタマイズ:

    Vivaldiでは、単にテーマを変えるだけでなく、タブの配置、アドレスバーの位置、サイドパネルの表示/非表示、マウスジェスチャーのパターン、キーボードショートカットの割り当て、検索エンジンの細かな設定、さらには個々のウェブサイトに対する表示設定まで、文字通り「無限」に近いカスタマイズが可能です。

    これにより、ユーザーは自分のワークフローや視覚的な好みに合わせて、ブラウザを「自分だけの道具」として作り上げることができます。一般的なブラウザが提供する「画一的な体験」ではなく、ユーザー一人ひとりのニーズに応えることを目指しているのがVivaldiの大きな特徴です。

  • 生産性の追求:

    パーソナライズは単なる見た目の問題に留まりません。タブスタックタブタイリングウェブパネルコマンドチェインなどの機能は、大量の情報を扱うユーザーや、複数のタスクを同時にこなすユーザーの生産性を飛躍的に向上させるように設計されています。ユーザーがブラウザの操作に時間を奪われることなく、コンテンツそのものに集中できるよう、きめ細やかな配慮がなされています。

このパーソナライズ哲学が、Vivaldiを単なるWebブラウザではなく、ユーザーのデジタルライフの中心となる「パーソナルツール」たらしめているのです。

Vivaldiの歴史

Vivaldiの物語は、Operaブラウザの歴史と深く結びついています。

  1. Operaからの独立 (2010年代前半):

    かつて革新的なブラウザとして人気を博したOperaは、2010年代前半にレンダリングエンジンを独自のものからChromiumベースへと移行し、同時にシンプルな機能へと方向転換しました。この変化は、多くのOperaの熱心なユーザー、特に「パワーユーザー」と呼ばれる層からの不満を呼びました。

  2. Vivaldi Technologies設立 (2013年):

    この状況に危機感を覚えたのが、Operaの共同創業者であり元CEOである**ジョン・フォン・テッツナー**氏です。彼は、ユーザーの自由な選択肢と高度なカスタマイズ性を取り戻すことを目指し、2013年に「Vivaldi Technologies」を設立しました。

  3. 最初のプレビューリリース (2015年):

    2015年1月27日、Vivaldiは最初の「テクニカルプレビュー」版を公開しました。この時点で、既にタブスタックウェブパネルといった現在のVivaldiの基礎となる機能が搭載されており、往年のOperaユーザーを彷彿とさせるコンセプトが注目を集めました。

  4. Vivaldi 1.0 リリース (2016年):

    活発な開発とユーザーからのフィードバックを反映させながら、約1年後の2016年4月6日、ついに**Vivaldi 1.0**が正式にリリースされました。「あなたのやり方でWebを」というスローガンのもと、高速なレンダリングと豊富なカスタマイズオプションが特徴でした。

  5. 継続的な進化:

    1.0リリース以降も、Vivaldiは非常に高い頻度でアップデートを続けています。内蔵メーラー、カレンダー、RSSリーダーの統合(2020年)、Android版のリリース、数多くのUI改善や新機能の追加など、常に進化を続けています。

    Vivaldiの歴史は、大手ブラウザが効率化やシンプル化を追求する中で、あえて「機能性とカスタマイズ性」というニッチながらも根強い需要に応えようとした挑戦の歴史と言えます。ユーザーの声を最優先するその開発姿勢は、今も変わらずVivaldiの大きな強みとなっています。